2018年9月28日
個人情報は守るだけが仕事ではありません。今回は実際に起こったお客様とのトラブル対応で、「言ってはいけないNGワード3選」をご紹介します。
事例1(製造・販売業)
お客様からの個人情報の取扱についての質問があった際、
「プライバシーステートメント(利用規約)に書いてありますので、お読みになってください。」
と答えたところ、
「説明になっていない!不誠実な対応をされた!ちゃんと説明してほしい。」
とクレームに発展してしまったケースがあったそうです。
NGワード1
「プライバシーステートメント(利用規約)に書いてあります。」
サービスを提供する側からすれば正論なのですが、お客様がプライバシーステートメントや利用規約を隅々まで読み、その内容を正確に理解しているかといえば、必ずしもそうではないでしょう。
むしろ読んですらいない方が多いのではないでしょうか。そこでまずは、
「プライバシーステートメント(利用規約)の○条に○○という表示がありまして、それは△△という意味です。ご質問の件はこちらに該当します。」
などと丁寧に教えてあげましょう。手間はかかりますが、お客様を怒らせずに済みますので、最終的には問題を早く解決できます。
事例2(サービス業)
「登録している自分の個人情報をすべて出力してほしい。」
というお客様に対して。
「できかねます。」
と突っぱねて返答してしまったために、
「個人情報保護法を遵守していない、できるのにやらないだけだ!」
とお客様を怒らせてしまい、クレーム対応に1ヶ月あまりを要したケースがありました。
NGワード2
「できかねます。(できません。)」
もちろん、できないことはできないのですが、この一言で終わらせてしまうと、お客様には納得いただけないでしょう。
「すべて出力という対応は、システム構成上できかねますが、出力したい内容をお教えいただけましたら、まとめて出力できます。」
といった言い方をしてお客様に代案を提案すると、同じ「できかねます」でも印象が大きく変わります。言い方を工夫するだけでトラブルが大きくなるのを防ぐことができるでしょう。
事例3(サービス業)
お客様のクレームに対して、
「これ以上の対応を求めるのであれば、訴訟を起こしてください」
という対応をしたケースがあります。
通常このような場合、小額の訴訟になることが多いので、一般消費者が企業に対して訴訟を起こすことはあまりありませんが、実際に訴訟を起こす直前まで行ったケースはありました。
NGワード3
「訴えてもらってかまいません。」
これはいけません。どんなに腹が立っても、お客様を怒らせてしまって、良いことは無いでしょう。
実際に訴訟を起こされれば、その対応に人的・金銭的リソースが裂かれることになり、企業にとってマイナスになることは間違いありません。また、訴訟を起こされれば会社が係争中ということになり、一部の取引や契約などができなくなることもあります。
ここはぐっと堪え、誠実な対応に徹し、理解を求めましょう。
個人情報保護というものは、漏えい事故やクレームがあった際の対応とセットであるということを常に意識しておく必要があります。
また、事故やクレームの対応は最初が肝心です。
スタートで躓かないよう、しっかりとした準備をしておきたいですね。
個人情報に関わる資格制度の運営や社員教育、認証付与など総合的ソリューションを提供し、個人情報保護の推進に貢献してまいります。