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  • マイナンバーカードを1年半使ってみた結果

    2017年12月27日

    行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(通称:マイナンバー法)が施行されてまもなく2年になるが、マイナンバーカードの普及率は10%前後と振るわない。筆者は職業柄マイナンバーカードを申請して所持しているが、何ができるのかわからないという人が多いかと思うので、筆者が1年半あまりの間、マイナンバーカードを所持(使用)してみた感想と、良い点、気になる点などについて、書いていきたい。

     

    まずは、筆者が使ってみたところ、良いと感じた点について。
     
    1.仕事をしている人にやさしい
     
    私事であるが筆者は今年(2017年)に結婚したので、戸籍や住所などに変更が出ている。婚姻届の提出に必要になる場合がある戸籍謄(抄)本(現在はそれぞれ、戸籍全部事項証明書と戸籍個人事項証明書といわれる)は、以前は本籍地の役所で申請しなければ手に入らなかったが、現在は(一部の自治体では)マイナンバーカードさえあればコンビニエンスストアで入手できる。
     
    これは非常に画期的なことで、従来ならば仕事をしている身としては、役所に開所時間内に行くには仕事を抜けるなり、休暇を取得するなりしなければならなかったのが、役所の開所時間外でも好きな時間に、コンビニで入手できるようになったのだ。そう、マイナンバーカードならね。
     
    そして婚姻届自体はいつでも出すことができるので、これまで以上に“お役所の都合”ではなく、“自身の都合”にあわせて婚姻届の提出や各種証明書の取得ができるようになった。これはマイナンバー制度のおかげといえるだろう。
     
     
    2.マイナンバーカードで転出・転入手続きができる

    マイナンバーカードにはカードのICチップ内に情報を記録するための領域が用意されているという。詳細については割愛するが、この領域に、転出元の役所で転出情報を記録し、そのカードを転入先の役所に持っていくことで、書類の作成や提出を省略することができる、特例転出(入)というものがある。筆者は実際この制度を利用したが、煩雑な書類作成や、役所で書類を用意してもらう時間を節約することができる。しかもこの手続きはマイナンバーカード1枚でできてしまう。
     
     
    3.マイナンバーカードは身分証明書としても使える
     
    一般的な身分証明書としては、運転免許証があり、筆者も運転免許証は所持しているが、結婚に伴って住所が変わったため、住所変更の手続きをしなければならなかった。しかしこれもそれなりに煩雑な手続きが必要であったため、近くなっていた免許更新の際にまとめて行うつもりで変更手続きは見送っていた。
     
    そうすると身分証明書がなくて困ることになる。新住所が記載されている身分証明書は、他に健康保険証があるが、これには写真が入っていない。写真入を要求された際には、やはりマイナンバーカードが役に立つ。
     
    ちなみにマイナンバーカードは引っ越し先の市区町村で転入の手続きを行う際に、同時に新住所に変更することができるので、別途手続きが必要な運転免許証などよりも変更手続きのハードルが低いのもありがたい。
     
     
    ここまでマイナンバーカードについていいことばかりを書いてきたが、気になる点についても書く必要があるので、ここからは気になる点について記載していく。
     
    4.マイナンバーカードの不正利用について
     
    マイナンバーカードの利用者側の利点として挙げた各種の証明書等の発行であるが、これは便利な反面危険性もある。コンビニでマイナンバーカードを用いて証明書が発行できるということは、マイナンバーカードとそのパスワードさえ持っていれば、第三者が他人の公的な書類を入手できてしまうということである。
     
    もちろん他人の公的な証明書を入手するには、マイナンバーカードと持ち主が設定しているパスワード、そしてさらに戸籍謄本を取得する場合には本籍地がわかっていないといけないので、悪用は簡単ではないが、可能ではある。便利さの裏にはそういった一定のリスクをはらんでいる。
     
     
    5.ヒューマンエラーによる情報の漏洩や不正利用について
     
    マイナンバーを扱うのは結局のところ人間であるという問題もある。当機構では、個人情報保護に関する研修を行っているが、その研修の際に必ず言っていることは「人は必ずミスをする」ということである。それはマイナンバーを扱う業務を行う人も例外ではないし、マイナンバーを扱う業務が増えてくれば、どこかで必ず事故は起こる。そのために、事故を想定した対応策を用意しておくことでその影響を最小限に抑えることでしか、ヒューマンエラーの対処はできないだろう。
     
     
    6.制度上の問題について
     
    マイナンバーを取り巻く制度の話をすると、現状マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の3つの分野での利用にとどまっているが、今後はより多くの分野で利用されるようになるかも知れない。現状では利用者に対する目立った不利益は存在しないが、今後も利用者の不利益になるようなことが絶対にないかというと、そうとは言い切れない面がある。
     
     
    まとめ
    総合的にみると、マイナンバーカードについて現状では、「あったらいいな、なくてもいいな」というレベルだろう。筆者は大いに助かった経緯もあるし、筆者の利用方法以外にも、電子署名機能を利用したe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利便性については、更なる発展の余地からみても有用性はあるが、生活必需品というほどではないからだ。
     
    とはいえマイナンバーは、既に日本国内に住民票があるすべての人に割り振られているので、マイナンバーカードを受け取るメリットこそあれ、デメリットはほとんどない。無料なので受け取っておいて損はないだろう。ただし、無くさないように。
     
    参考:http://www.cao.go.jp/bangouseido/

    https://www.kojinbango-card.go.jp/

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